『ル・コルビュジエ読本』は,近代建築の巨匠である,建築家ル・コルビュジエを再考する1冊です。
本書は400頁にわたり,インタヴューとエッセイ,時系列で作品群を紹介したグラビア写真によって構成されています。
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インタヴューでは,槇文彦,磯崎新,伊東豊雄,隈研吾をはじめとした,日本を代表する現代建築家たちに貴重なお話を伺いました。「サヴォア邸」などの住宅作品から,「ロンシャンの礼拝堂」や「ラ・トゥーレットの修道院」といった名作,「チャンディガール」をはじめとした都市計画のヴィジョン,更には,コルビュジエの絵画や執筆,エンジニアや弟子との協働についてまで,多岐にわたる論考が展開されています。
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エッセイでは,現在絶版の大型本『GA』でしか読むことのできない,故・吉阪隆正(コルビュジエの弟子の1人)による貴重な小論も収録しています。
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読んだら必ず,コルビュジエ建築に行きたくなる,建築が楽しくなるはずです。


第1章 住宅、初期のコンセプトについて
鈴木恂 吉阪隆正経由、コルビュジエの実像
シュウォブ邸 1917
オザンファン邸 1922
入江経一 最先端の環境に人間像を映し出す鏡
ベスニュ邸 1922
ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸 1925
青木淳 コルビュジエの住宅における形式と感覚
ぺサックの住宅群 1926
林美佐 建築空間の画材
クック邸 1926
ギエット邸 1926
千代章一郎 白の絶対性と風景の誘惑
ガルシュの家 1927
ヴァイゼンホーフ・ジードルンクの住宅 1927
隈研吾 コルビュジエの住宅は〈茶碗〉である
サヴォア邸 1931
井上章一 著述家としての建築家
クラルテの集合住宅 1932
鈴木了二 偉大さが分からなかったワケ
カップマルタンの休暇小屋 1952
吉阪隆正 ユニテ・ダビタシオン、マルセイユ、ベルリン:”良心”の声に従え
マルセイユのユニテ・ダビタシオン 1952
平田晃久 ニューモードに誘うクルチェット邸
クルチェット邸 1953
煌ヤ三郎 環境時代のル・コルビュジエ
サラバイ邸 1955
ナントのユニテ・ダビタシオン 1955
米田明 コルビュジエの住宅の「パース性」と「アクソメ性」
ショーダン邸 1956
ジャウル邸 1956
佐々木睦朗 デュボアとプルーヴェ、二人のエンジニア
カップマルタンの宿泊施設 1957
ベルリンのユニテ・ダビタシオン 1957
伊東豊雄 生々しい喜びに満ちた人間像
フィルミニのユニテ・ダビタシオン 1967




第2章 ロンシャンとラ・トゥーレット
磯崎新 終わりであり、始まりである
エスプリ・ヌーヴォー館 1925
スイス学生会館 1932
槇文彦 建築をつくることにとっての原点の大切さ
セントロソユース 1933
救世軍難民院 1933
原広司 ガラスの箱とロンシャン
ナンジュセール・エ・コリ通りのアパート 1933
繊維業者協会会館 1954
吉阪隆正 ロンシャンの礼拝堂:建築における真行草
ロンシャンの礼拝堂 1955
月尾嘉男 21世紀に見えてきたル・コルビュジエ
サンスカル・ケンドラ美術館 1958
ブラジル学生会館 1959
隈研吾 原理を応用する難しさ
国立西洋美術館 1959
磯崎新 ラ・トゥーレットの修道院:海のエロス
ラ・トゥーレットの修道院 1960



第3章 ユルバニスムと都市計画
隈研吾 二重焦点の都市計画
カーペンター視覚芸術センター 1963
文化の家 1965
横山禎徳 都市デザインの行方
ル・コルビュジエ・センター 1967
チャンディガール美術館 1968
磯崎新 チャンディガールからハイパー・シティへ
サン・ピエール教会 2006
吉阪隆正 チャンディガール:ル・コルビュジエの仕事ぶりを通じて思うこと
チャンディガール 1951-
Japanese text only
400 total pages,
ISBN978-4-87140-686-4 C1052
2014年3月25日発行
Size: 210×148mm
¥2,640(税込)