特集 [PLOT 設計のプロセス]
建築家やエンジニア,デザイナーなど16組の設計プロセスを紹介


毎秋の展覧会と連動するPLOT特集も今年で4回目。通常号のPLOTとは趣向を変え、特集号ならではの投げかけをしたいと思いました。16組のクリエイターのお話から、多彩な広がりと共に細分化し揺らいでいる「職能」の状況が浮かび上がってきます。

作品
TOYAMAキラリ 隈研吾
RIA・隈研吾・三四五設計JV
解説:新たなダイナミズムを生み出す周辺視 隈研吾
中村キース・ヘリング美術館 北川原温
解説:「闇と光の同義性」 北川原温
VILLA KEYFOREST 北川原温
HOTEL KEYFOREST HOKUTO 北川原温

トップを飾るのは、隈研吾さんによる「TOYAMA キラリ」。いわゆる再開発ビルですが、公共建築でもあり、銀行も入る。伊東豊雄さんの「せんだいメディアテーク」以来、町中に建つ公共建築は一般的になりましたが、良い意味でここまで町のビル然とした建築もなかったのでは。その意味で、プログラムを解きながら、それを超えて更なるアクティビティを誘起する建築にも思えます。
 

192 total pages, 88 in color
ISBN978-4-87140-936-0 C1352
2015
年11月1日発行
¥2,566(税込)

 
特集
[PLOT 設計のプロセス]
建築家やエンジニア,デザイナーなど16組の設計プロセスを紹介


「PLOT」では、それぞれのクリエイターの多様な建築手法をそれぞれ深掘りしていくと同時に、今、考えていること、気になっていることを伺いました。
公共的プログラムに取り組んでいる、大西麻貴さん+百田有希さん。強い建築イメージを打ち出していくことで注目された二人が公共的な建築に対して、どのようなプロセスを辿っていったのか。「つくっては壊す」創造のパワーへの気付きがあったそうです。
松岡聡さん+田村裕希さんには、住宅プロジェクトを通じて、彼ら独特の「設計の土壌」の耕し方を聞いています。配置図のつくり方や見方、スケッチや写真の意味。建築や空間を表現するメディアの意味から考える試みは刺激的です。
山本理顕さんの「ザ・サークル」は、なんと2年ぶりの登場。日本で取材していると中々理解できなかった建築のプロセスが今回明らかに! 様々な専門家が協働し、資金集めの段階からクライアントと議論しつつ、案を熟成させていく建築家の姿について語られています。そして、今、日本の公共建築に携わる作戦とは?
などなど……。内容盛りだくさんのPLOT特集号になっています。お楽しみに!




01 大西麻貴+百田有希 
語り手:大西麻貴,百田有希


[人々を惹きつける建築]
「GoodJob! センター」を中心に

建築の前向きな推進力
|言葉のチカラ|町ソノモノになり切れない外の人|人々を惹き付ける具体的なかたち|生々しい個性|共感の流れ


02 西沢立衛 
語り手:西沢立衛


[ランドスケープから屋根への建築論]
「済寧市美術館」を中心に

巨大スケールの建築|コンペでアピールすること|変化で何が重視されるか|どこまでが風景か?|建築の成り立ちの説明の仕方|機能を超える「場所」|建築の価値をつたえるものとは|屋根によるスタディの変化


03 佐藤淳 
語り手:佐藤淳


[半透明な構造のラチス的効率]
「構造家に求められる役割の変化」について

幾何学的な形状を探る|環境パラメータとシンクロ|半透明な構造|省略する技の提供|作業手間に対する理解


04 藤本壮介 
語り手:藤本壮介


[リジッドな計画学的空間の溶かし方]
「エコール・ポリテクニーク学生センター」を中心に

コンテクストの理解と建築を社会資産にする意識|ジャンプはどこでするか?|片廊下に真っ正面から取り組む|個人的イメージか自然科学的観察か|実は,プレゼンは普通|クライアントとの共有


05 森山善之 
語り手:森山善之


[施主の要望の受け止め方]
「依頼の絶えない設計方法」について

依頼の相次ぐ設計事務所とは|スタイルのない建築家?|設計を2回する|NOを言える信頼感|何でも応えられるワケではない|遅れている住宅


06 松岡聡+田村裕希 
語り手:松岡聡,田村裕希


[設計の土壌とトレーニング]
「小泉の住宅」を中心に

設計のオチを考える|配置分析「小泉の住宅」の場合|外部空間を内部の要素として扱う|現代的な郊外住宅の在り方|ひたすら羅列して待機状態にする|3センチの平面図で描けるものデフォルメされたイメージと鮮やかさ|住宅設計における公共性の考え方


07 藤江和子 
語り手:藤江和子,野崎みどり


[最も肌に近い建築]
「台中国家歌劇院」の家具を中心に

建築全体に目を配る仕事|難航した空間把握|息を付く場|都市の桃源郷|イメージされた風景への眼差し


08 山本理顕 
語り手:山本理顕,蜂屋景二


[システム的建築力、ふたたび]
「The Circle」を中心に

明快な共有の思想と複雑な設計プロセス|スイスの建設システム|巨大プロジェクトでの追求|システム的設計の復活?


09 藤村龍至 
語り手:藤村龍至


[計画と設計の緊張感]
「Cultivate Houses」を中心に

KJ法+ソシュール的記号論|超線形設計プロセスとイメージ論|Google House|建築家の住宅と大衆の住宅の差|政治的,経済的コンテクスト|神官と工学者|公共建築における合意形成|計画と設計


10 成瀬友梨+猪熊純 
語り手:成瀬友梨,猪熊純


[多様さの共存する計画と構成]
「スプツニ子! プロジェクト(仮称)」を中心に


建築の外の言葉を使う|共感というより現在への提案としての「シェア」|絆の目的化は少しコワい|不確定なプログラムに関わっていくスタンス|個別性の共存|様々な活動を受け止められる場


11 森山茜 
語り手:森山茜

[100mと1m,両方の感覚で見る布
]
「建築との関わりとインスタレーション」について

ペトラ・ブレーゼの働き方|初めての「空間的な布」の実践|素材の現れ方まで気になる



12 隈研吾 
語り手:隈研吾,柴田淳,梅澤竜也


[ユニットストラクチャーとファブリック]
「SOGOKAGU Design Center」を中心に

何を実験するか?|嵌合とファブリック|発砲ウレタンとステンドグラス|浮造りの木材|日常の精度と密度



13 小嶋一浩+赤松佳珠子 
語り手:小嶋一浩,赤松佳珠子


[都市のような建築のつくり方]
「デヴュー作から最新作までの変遷」について


建築の前向きな推進力
|言葉のチカラ|町ソノモノになり切れない外の人|人々を惹き付ける具体的なかたち|生々しい個性|共感の流れ


14 羽鳥達也/日建設計 
語り手:羽鳥達也


[批判的分析と工学的ドライブ]
「Oプロジェクトと二つのコンペ案」を中心に

戸建て住宅の企画開発|リアリティの与え方|システムをローカルに合わせる|建築の生成原理とは|全体構成から矩計まで一貫したビル|条件変更で生まれた不可能な課題|ロジックなしで伝わるもの


15 岡安泉 
語り手:岡安泉


[熱量を感じない形と質を持った光]
「LED普及以降の照明設計」について

光の形状と質量|光のパーソナル化とポータブル化|均質化と斑


16 三分一博志 
語り手:三分一博志


[テラスとスロープでビルを補強]
「広島ピースタワー」を中心に

広島の街の「今」を見せる建築|改修と空間イメージの重ね合わせ|都市の「丘」への登り方|屋根のある丘|都市建築での気付き


時評
エッセイ
地球の景色 6
藤本壮介


連載
二川幸夫の眼 10 藤本壮介

GA広場
カールと水滴による精神的インフラ
碧いパンセ
北川原温・西内元省・北口智広
水平ルーバーに換気システムを内蔵する
アンリツグローバル本社棟
竹中工務店
LANケーブルに擬態した白虹
空輪
高池葉子
連載
ロボットはコンピュータの夢をかたちにするか?10
アンズスタジオ

アンズスタジオの連載では、幾つかの先進分野の試みを経て再び、建築をつくる最新プロジェクトに。建築だけではない同時代的な波の中で、建築家の活動も展開されていることが驚きです。まさに第四次産業革命は進行中なのか!? 後から振り返ると、日本の建築の世界がどうなるのかを示唆する未来潮流があるのかもしれません。